アトピーと遺伝の関係を理解しライフスタイルでコントロールする5つの方法

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Fairy DNA / kyz

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長い治療を必要とするアトピー性皮膚炎。その発症の仕組みには、いまだに不明な点が多いようですが、アトピーを引き起こすには、遺伝子と環境的な要因が大きく関係しているようです。

以前までは完治は難しいとされていたアトピーですが、最近では、症状をコントロールし続ける事で自然寛解や完治の可能性があると言われています。今回は、アトピーと遺伝、その症状のコントロール方法について調べましたので、ご紹介します!



アトピーと遺伝の関係を理解しライフスタイルでコントロールする5つの方法

 

方法1:環境や食事の改善でアトピー体質を克服する


アトピーの発症と遺伝にはどのような関係があるでしょうか?理化学研究所遺伝子多型研究センターアレルギー体質関連遺伝子研究チームの報告によると、アトピー性皮膚炎を引き起こす、アトピー体質が遺伝する事は確かなようです。統計では、片親にアトピー体質があった場合、子供に遺伝する確率は約30%、両親だと約70%の子供がアトピー体質になるといいます。

ところが、アトピー体質を遺伝していても必ずアトピー性皮膚炎を発症するとは限りません。日本では、同じ遺伝子を持っているにも関わらず、戦後からアトピー性皮膚炎を発症する人は20倍に増えています。

このことから、食生活や生活環境の変化がアトピー性皮膚炎を引き起こす大きな要因になっていると考えられます。アトピーは遺伝だからとがっかりする必要はありません。たとえ、アトピー体質を引き継いでしまったとしても、環境や食生活の改善で発症させなくしたり、治療できる可能性が充分にあるということを覚えておきましょう。

方法2:アトピー性皮膚炎の元となるアレルゲンの除去を適度にする


日本皮膚科学会では「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」の中で、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義しています。

また、「アトピー素因をもつ」という事については、「家族がアトピー性皮膚炎やアレルギー体質であること」「気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎のうちいずれかをもつこと」「血液検査により、IgE抗体(アレルギー抗体)を産生しやすい体質であること」の3つだと明記されています。つまり、アトピー性皮膚炎を発症している人のうちの多くは、アレルギー体質であるということがわかっています。

アトピーを引き起こす原因となるアレルゲンとして、最も多いのはダニの死骸や糞です。部屋にはホコリの溜まるような物は極力置かないようにして、こまめに掃除し、寝具の洗濯に気をつけることは大事です。

とはいえ、ハウスダスト等のアレルゲンの元をいくら頑張って取り除いても、ストレスが溜まるだけでなかなかアトピーが改善しないという悩みを持つ人がいる事も事実です。アレルゲンの除去は完璧にできるということはあり得ませんし、アトピーを発症している人の中にはアトピー素因となるアレルギー体質を持っていない人もいるようなので、アレルギーだけがアトピーの原因とは言い切れません。アレルゲン物質の除去に潔癖性になってストレスを溜めないようにしましょう。

方法3:白湯を飲んで免疫力をアップさせる


アレルゲンの除去の他に、体の内側からアトピーのアレルギー反応を起こしやすい体質を改善しましょう。アトピー性皮膚炎はハウスダストや食べ物等のアレルゲンに過剰反応する事で起こるといわれていますが、このような過剰反応が起こるのは、免疫システムが未熟な為です。

また、アトピーによるアレルギー反応を起こす人には、遺伝的な理由の他に、免疫力が低い、腸内環境が悪い、自律神経が乱れている等の特徴があります。これらの状態を改善してくれるのが、白湯です。白湯を飲む事は、免疫力をアップさせるだけでなく、腸から内蔵を温めてくれるので、腸内環境が改善され、体温が温まる事によって自律神経も正常化してくれます。体を冷やす冷たい飲み物は極力飲まないようにして、今日から、白湯を飲むようにしましょう。

方法4:アトピー治療には保湿が基本


アトピー性皮膚炎の治療で何より大切な事は、徹底的な保湿をする事です。アトピー性皮膚炎を引き起こす遺伝子ははっきりとは特定されていませんが、2006年のイギリスの研究で、皮膚のバリア機能に必須の蛋白質である「フィラグリン」という遺伝子の異常が、アトピー性皮膚炎を持つ患者の約1/3から半数に見られたと報告されました。

その後、日本人のアトピー性皮膚炎の患者のうち27%がフィラグリン遺伝子変異が発症因子となっていることが、名古屋大学医学部皮膚科の研究によって明らかになっています。フィラグリン遺伝子の異常によりフィラグリンの生成が減ると、角質層が弱く乾燥した状態になり皮膚のバリア機能が低下してアレルギー反応を起こしやすくしてしまいます。保湿外用薬をこまめに塗って、肌の保湿を習慣にしましょう。

アトピー性皮膚炎の人の肌に足りないとされている保湿成分のセラミド入りや尿素入り、オリブ油など、様々な種類がありますが、使い心がそれぞれ違いますので、自分にあった物を塗ると良いと思います。このような保湿外用薬自体には、皮膚に水分を与える役割はありませんので、お風呂やシャワーの後や、低刺激の化粧水を塗った後、水分が逃げないように素早く塗ることが効果的な使い方です。

方法5:掻きグセに気をつける


アトピーの症状が慢性的には、かゆくない時でも皮膚を触ったりかいたりしてしまう「掻きグセ」があるひとが多くいるようです。ストレスを感じたときや緊張した時に掻いてしまうようですが、自分でも気付かないうちに皮膚に傷ができ、症状の悪化やせっかく治まっていた炎症の再発に繋がってしまいます。

無意識になっている事がほとんどですが、体の一部分だけ症状が悪化していたり、ある一部分だけいつまでたっても治らないという場合には「掻きグセ」を疑って、爪を短く切ったり、寝る時は手袋をして寝る等の対処をしましょう。
今回お届けしたアトピーと遺伝の関係を理解しライフスタイルでコントロールする5つの方法はいかがでしたか?
アトピーを引き起こしやすいアレルギー体質は遺伝するようですが、体質の遺伝があったからといって必ず発症する物ではないようです。日々の努力で改善できる可能性は大いにありますので、自分にあった食事や生活スタイルで、アトピーを克服できるようがんばりましょう!

まとめ

アトピーと遺伝の関係を理解しライフスタイルでコントロールする5つの方法

方法1:環境や食事の改善でアトピー体質を克服する

方法2:アトピー性皮膚炎の元となるアレルゲンの除去を適度にする

方法3:白湯を飲んで免疫力をアップさせる

方法4:アトピー治療には保湿が基本

方法5:掻きグセに気をつける


 

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